尖圭コンジローマと陰茎癌について
通常「尖圭コンジローマ」と言えば良性の腫瘍と考えられ、まれに長時間を経て尖圭コンジローマが悪性化(癌化)する場合も報告されていますが、ごく少数例と考えられます。
尖圭コンジローマと呼ばれるものは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型、11型の良性型により引き起こされる病気(良性腫瘍)がほとんどで、HPV16型のような悪性型のHPVが混在しているケースはかなり少ないからです。
しかし、先日もコンジローマと診断され治療中の患者さんがセカンドオピニオンを求めて来院された際、リスクチェックで高リスク(前癌状態の疑い)の判定がでたため、大学病院を紹介しました。
そもそも、陰茎にカリフラワー状の突起が出来て病院を受診した際に、即、コンジローマと診断される例が多く認められるようですが、一見しただけでコンジローマと診断を下すこと自体かなり安易な行動と言わざるを得ません。
HPVには数十種類以上の型があり、肉眼では6型なのか16型なのかは判断できないのだから、ひょっとしたら、それは前癌状態の可能性もあるわけです。
実際には、尖圭コンジローマと呼ばれる良性型が大多数を占めているから良いようなものの、危険ではありますよね。
ですから、当院では、陰茎に何か突起物が出来て腫瘍を疑う場合、なるべくRISK型(悪性でないかどうか)のチェックを行うようにしています。
ところで、子宮頸癌のHPV検出率は極めて高く、子宮頸癌患者のパートナーの陰茎からのHPV検出率も有意に高いことから、子宮頸癌と陰茎癌はHPV感染によるSTD(性行為感染症)に属するものと解釈しうるという意見もあります。(当然、総ての症例で確認されたわけではないので、一意見に過ぎませんが。)
えびす皮フ泌尿器科 院長 原口 忠
2007年12月8日 |