急性副睾丸炎の例外について
急性副睾丸炎は、
細菌が精管を逆行性に降りて副睾丸に達し、陰嚢内容(睾丸と副睾丸)が一塊となって 大きく腫れ、発熱やかなりの痛みを伴う病気で、比較的診断は容易と言えます。
原因としては、急性尿道炎を(気づかずに)しばらく放置した場合や慢性前立腺炎の患者に多く見られます。
副睾丸は通常全く無菌的な状態に置かれているため、それこそ一匹でも菌が侵入すればたちどころに腫大し痛みを覚えることになります。いわゆる「タヌキの金玉」状態と言えますが、睾丸水瘤や睾丸捻転との鑑別は必要です。睾丸水瘤は光を透過するため比較的わかりやすく、熱感や痛みも伴いません。睾丸捻転はそれ程腫大しませんが、激烈な痛みを伴い、時間が経つと睾丸が壊死してしまうため、強く疑われる場合は即手術が必要です。
上に述べたように、通常は副睾丸炎の場合大きく腫大し痛みを覚えますが、例外があります。
それは、クラミジアが原因となった場合で、腫大は軽度で限局し発熱も認めないことが多いため、副睾丸炎と診断されずに、的確な治療が行われていない患者さんを時々見かけます。最悪、炎症を起こした副睾丸が陰嚢皮膚と癒着して漏孔(トンネル)ができて排膿をみた例もありましたから、要注意ですね。
しかし、たいていの場合本人が気づいていなくても、尿道を診ればクラミジア性尿道炎を起こしていることが多く、診断は慣れていれば難しくはありませんから、クラミジア性尿道炎の治療に準じて治療すれば(少し長めにやりますが)治癒可能です。
また、何れの病原体が原因で副睾丸が腫大しても、治癒後副睾丸の一部に硬い部分が残ります。
これは、炎症が原因で組織の一部が線維化したためですが、通常機能的には問題はありませんから不妊、性欲減退etcの心配は無いでしょう。
最後に話が逸れますが、咽頭炎の場合は淋菌でもクラミジアでも症状は出にくく、尿道炎と比較して抗生剤が
若干効きにくいですから、疑わしいと思ったら性病科で検査したほうが安全でしょう。
えびす皮フ泌尿器科 院長 原口 忠
2007年9月1日 |