尿道炎の陰の原因菌<マイコプラズマ. ウレアプラズマ>とは
尿道炎は、淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎に分けられます。
淋菌性尿道炎の中にクラミジアや雑菌を併発している例を多く見かけます。
では、非淋菌性尿道炎はどうでしょうか?
非淋菌性ですから当然淋菌はありません。でも、クラミジアや雑菌だけが原因でしょうか。
培養検査で、クラミジアも雑菌も検出されない症例がかなりの例で認められ、検査中に死滅してしまう場合を考慮に入れても、説明がつかないのです。
そこで、ウレアプラズマやマイコプラズマの存在が研究されるようになりました。
両者は自己増殖可能な細菌としては最小のもので、通常の細菌培養では捕まえることは不可能ですが、実験室レベルの特殊な検査法で捕まえられます。(つまり一般診療では、通常検査不能ということです。)その検査で、クラミジア、雑菌いずれも存在しない症例の中にマイコプラズマやウレアラズマが特定された症例がある程度発見された結果(クラミジアと一緒に発見されたものもあります。)、この両者が非淋菌性尿道炎の原因菌のひとつとして疑われるに至ったわけですが、ウレアプラズマの中には常在菌も含まれるうえに、検出検査の難しさetcから本当に尿道炎の原因になっているか否かの判断はひじょうに難しいようです。
マイコプラズマといえば、我々医療関係者の間では(異形)肺炎の原因菌として有名ですが、その一族の中に非淋菌性尿道炎の原因菌が含まれている(マイコプラズマ ジェニタリウム)ことは、間違いないようです。クラミジアが検出されない非淋菌性尿道炎の患者から、かなりの確率でこいつが確認されているのですから。
では、これらの陰の原因菌をいかにして殺すか、が難問だと思うでしょう。それが、意外なことにクラミジアに対して有効な抗生剤がひじょうに有効で、それゆえマイコプラズマやウレアプラズマが全く特定できなくても治療できてしまうんですね。ですから、結果的には何の問題もなく治癒に至るわけで、マイコプラズマetcがいたかどうかは、現実問題として全く問題にされないのです。
従って、診察室内では、「原因菌は解らなかったけれども、治癒しましたね。」という会話が往々にして交わされることになり、何か釈然としないものが残ってしまうことになります。でも、マイコプラズマetcは、患者さんにとっては全く聞き慣れない微生物であり、また我々医者にとっても生態や病原性について未解明な部分が多く、あえて説明はしないのが現状です。
結果オーライ的な治療もある程度行われているというになりますが、これはある程度避けられない部分でもあるのです。
えびす皮フ泌尿器科 院長 原口 忠
2007年8月1日 |