「前立腺症もしくは前立腺痛」とは?
前立腺炎は、細菌性前立腺炎、無菌性前立腺炎、それと前立腺症(前立腺痛とも言う)に分けられます。
前立腺症(PROSTATISM)は、「症状から考えて前立腺の炎症と思われるが、前立腺液の中にほとんど白血球を認めず、また細菌検査でも菌が認められない病態」を指します。
そして、下腹部の違和感(特に長時間座っていたときetc)、内股が張る、射精時の不快感、痛み、頻尿など前立腺炎の症状で来院される患者さんの数十%が、この前立腺症(前立腺痛)なのです。
患者さんが上記症状で来院した場合、まず細菌性前立腺炎を疑い、前立腺液を採って顕微鏡でチェックしますが、白血球が認められない、つまり炎症が認められない例が意外と多く、そのほとんどが前立腺症です。
原因は、はっきりわかっていませんが、骨盤の底の部分の鬱血、筋緊張や心因的なものが考えられます。その中でも、心因的な原因がかなり多く認められ、ある種の抗精神薬(きわめて軽いもの)やカウンセリングが有効です。「患者さんはつらいのだ。」ということを、きちんと頭に入れた上で患者さんに向き合うべきですが、その両者を併用することで、かなりの数の患者さんが楽になっています。
悪化の要因として、長時間の座位やストレス、飲酒などがあるので、気をつけましょう。
前立腺炎も前立腺症(前立腺痛)も症状が強い場合、患者さんにとっては、かなりつらいもので、医師はきちんと話を聞く姿勢が必要です。また、改善と増悪を繰り返すことが多いけれども、きちんと治療すれば確実に良くなっていくこともまた事実ですから、患者さんも諦めないで通院してください。
あ、それから前立腺炎、前立腺症は前立腺肥大症、前立腺癌とはまったく無関係だから、ご心配無く。
平成17年12月1日
えびす皮フ泌尿器科 院長 原口 忠 |