「性病雑学に関する独り言」
最近は、さすがにスキンを付ける習慣が以前よりは根付いてきたようです。
パンツを脱いだ瞬間からスキンをつけるなんて、何とも白ける話ですが、患者さんと話をしていると、確かにそういった人たちもいるんですね。(女性がシャワーを浴びている間に、着用するのだ、という患者さんもいました。)
まあ、それに超したことは無いけれども、皆が皆それで完璧だったはずなのにと思いこんでいるところが、まだまだ甘いな。
だって、スキンを付けていても、陰茎の根元と陰唇は直接接触してしまうわけで、当然HPV(ポピュラーなところでは、尖圭コンジローマ)、単純ヘルペス、(ケジラミも)は、感染する可能性があるわけなんだから。
一つ、気がついたことは、そういった状況でHPVや単純ヘルペスをうつされた患者さんて、最初に発症する場所は、やはりスキンからはみ出て露出していたところなんですよ。面白いというか、不思議というか、そのウイルスは、皮膚から侵入した後、ある程度自由に動き回れるはずなのに、先ず侵入したところに顔を出すんだなあ。その後、全く別のところ(と言っても陰茎か陰茎基部および肛囲だけれども)にも、出てきますね。
で、よく患者さんから聞かれる質問があります。
「絶対安全な方法はありませんか?」
自嘲気味に聞く患者さんと真面目に聞いてくる患者さんと二通りあります。
僕は、やらなきゃ良いじゃないなんて返事はしません。
「スキンを付けて、口と手だけでやってもらうしかないかな。」
と、答えますが、中には、「それじゃあ、ちっとも良くないじゃないですか!」と憤然とされる患者さんもいたりして、流石に僕も困ってしまうなあ。
岡本理研ゴムにお勤めの方、これを読んでおられましたら、是非スキンパンツを開発してください。宜しく!
ところで、最近の抗生剤事情について、一言。
ニューキノロン系は、よく使われてきたものが特に効果の落ち込み(耐性菌の増加)が激しく、尿道炎にほとんど効かないものがかなり増えています。テトラサイクリンetcは、かなり有効で、極めて有効なものもこのグループに含まれますね。当院では、第一選択剤として、このグループから選んで使用することが多いです。何と言っても、安くて良く効くのだから。もちろん、これに対する耐性菌もありますが、尿道炎は、まあ2週間ちょいあれば、まず普通は完治します。(慢性尿道炎は例外ですが)
ところで、唇にHPVを発症した患者さんを診ました。
理論上は、あり得る話ですが、当院では初めての症例にて、やはりびっくりしました。
これからは、口腔内も診た方が良いかもしれません。
最後に、「うつされたかな?」と思って受診される患者さんに一言。
例えば、僕が男性の患者さんのことをどう捉えているか、と言うと、基本的にウェルカムなんですよ。
「しょーがないなー、まったく。まあ男だから少しは仕方ないよなあ。」というのが、本音なんだけれども、最近は、症状が出にくいケースが多いため、彼女にうつしてしまっている例を頻繁に見かけます。
これは、さすがに由々しき問題で、患者さん本人の自覚、自己責任に対する考え方が大事でしょう。
せめて、そういった行為の後は、ちょっとした違和感も見逃さないようにして、少しでも変だなと思ったら、即来院してチェックすることがエチケットだと思いますよ。
2005年6月1日 院長 原口 忠 |