尿道炎について
男性が「おしっこすると痛い。膿がでる。」などの症状で来院した時、例えば「淋菌が原因の尿道炎ですよ。」
「尿道炎の原因は雑菌ですから性病ではありません。」と説明しても、「あ、淋病ですか。え?尿道炎ですか。」「雑菌?性病じゃないって。」といった反応がよく返ってきます。
患者さんにとっては、尿道炎とその原因になる菌(淋菌、クラミジアや雑菌)との繋がりが今ひとつはっきりしないことや、一般的に言って尿道炎すなわち性病と思い込みやすいことが原因でしょう。
尿道炎とは、細菌などの微生物が尿道に入り込んで炎症を起こしている状態で、その炎症を引き起こすのが淋菌、クラミジアや雑菌なのです。また、尿道炎を起こすきっかけは性行為がほとんどですが、淋菌やクラミジアだけでなく雑菌も条件次第で尿道に入り込んで炎症の原因になります。
ですから尿道炎すなわち性病とは言えません。
実は、この雑菌性尿道炎が以外とくせ者で、いきなり強い炎症を起こすのではなく徐々に炎症のレベルが上がっていくケースだと、身体がその変化に馴染んでしまい、炎症がある一定のレベルに達しないと自覚できないのです。
ですから、患者さんが自覚症状に気づいて来院、治療を開始するまでにすでにかなりの時間が経過してしまい、慢性化して治しにくくなっているのです。
また、慢性の軽い炎症を抱えている患者さんが性行為をした場合、その行為が刺激となって炎症のレベルが一段上がり自覚症状が現れれば、当然その行為で病気を移されたと勘違いしても無理はありません。
ですから、患者さんに病態を説明する時には、尿道分泌物の性状をよく観察し、性行為の直後に症状がでた場合特に、注意してあらゆるケースを考えた上で診断を下す必要があり細心の注意が必要になります。
でも、実のところ一番難しいのは、「雑菌とはなんぞや」ということと「なぜ雑菌が原因で尿道炎になるのか」を患者さんが理解できるようにきちんと説明することですね。